概要
PixPipeline では補正ノード(明度調整・ぼかし等)に個別のマスク入力を持たせません(§2.8 局所補正の原則)。 代わりに「全体に補正した版」と「元画像」をこのノードでマスク合成します。
元画像 ───────────────┐
├─ [マスクで混合] ─→ 結果
元画像 → [明度調整] ──┘ ↑
マスク ─────────────────────────┘
技術詳細
- マスク値 0〜1 で
元画像 → 処理後画像を線形補間します(グレーマスクで部分的な効き具合を作れる) - 通常は
Premultiplied(乗算済みアルファ)を使います。完全透明ピクセルに残ったRGBを無視するため、透明境界に暗い縁や色縁が出にくく、結果のアルファが0なら透明黒になります - 透明ピクセル内のRGBも含めてRGBAの数値をそのまま混ぜたい場合だけ
StraightRGBAを選びます。旧v2プロジェクトは見た目を維持するため、この方式へ自動移行します - 処理後画像がキャンバスより小さい場合、その範囲外は透明として混合されます
使い方のポイント
- 「この部分だけ明るく/ぼかしたい」と思ったら、補正ノードのマスク入力を探すのではなく 必ずこの形(元画像+補正全体がけ版+マスク)に組む。これがPixPipelineの標準作法
- 元画像から2本に分岐させ、片方だけに補正を通して両方をこのノードへ——という 「Y字の合流」がグラフの見た目の目印になる
- グレーマスクで「効き50%」のような部分適用もできる(線形補間)
- 画像の見た目を合成する通常用途では
Premultipliedのまま使い、StraightRGBAは透明RGBをデータとして編集する互換用途に限定する - よく使う組み合わせは公式カスタムノード(MaskedBrightness等)としても提供されている
よくある失敗
- originalとprocessedを逆につないだ: 白い所に出るのが processed。効果が逆に出たら
接続を入れ替えるか
invertをON - マスクが小さくて端の挙動が変:
outsideでマスク範囲外の扱い(元画像/処理後/透明)を 明示できる - 3入力の用意が面倒: 同じ画像から分岐すればよい(元画像を2回描く必要はない)
使用例
- 局所的な明るさ調整: 元画像とその
Brightness適用版を、Path Maskで描いた範囲だけ混合 - 部分ぼかし:
Gaussian Blur版をHistogram Scanのソフトマスクで混ぜて被写界深度風に - 公式カスタムノード:
MaskedBrightness/MaskedBlur/MaskedHSVAdjustはこのノードのラッパーです
関連ノード
mask/erase_by_mask— 合成ではなく切り抜き・削りthreshold/path_mask— マスクの供給源blend— マスクなしの全面合成mask_boolean— 複数マスクの組み合わせ